ジェノダイアリー

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【DQX】猫は貴族の夢を見て【創作】

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どもおお! ジェノドです。

 

昨晩は『猫は貴族の夢を見て』にご来場いただき、誠にありがとうございました♪

 

今日は美容院に行く予定があるため、写真等のまとめはまた明日!

髪の毛金髪にしてきます←

 

 

さて、ストーリーとして章名で構成をしました今集会。皆様はどんなストーリーを思い浮かべましたか?😊

 

昨晩のラスト主催挨拶でも言ったように、俺なりの『猫は貴族の夢を見て』を書いてみました✨

 

 

ストーリーを考えるのが大好きで🤣

昔は舞台脚本とかよく書いていました😳

(まあ、演劇部だったから当たり前か🤣)

 

 

結構しっかり書いてみました!w

短編で仕上げたので長さはそんなにないですが💦

ご興味ある方、お時間ある時にでも読んでいただければ幸いです☺️

 

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猫は貴族の夢を見て

 

 

 ただ『自分』を探して彷徨うだけの日々だ。

 答えなど見つかるわけもないし、『自分』という答えを探そうとしていることすら馬鹿馬鹿しくも思えてしまう。

 自分探しの旅を続ける猫は、体を綺麗に磨き、姿勢正しく歩く。しかし、客観的に見ればただの野良猫であることに違いはなく、向けられる視線に心地の良いものなどなかった。暴力を振られ、暴言を吐かれたこともあったが、猫は歩き続けた。それが自分の使命で、運命に違いないと、なんの根拠もなく感じていたからだ。

 

 ふと、視線をあげると白い花が目の前に咲いていた。何も気にせず歩いていたせいで、ここがどこなのかはわからない。

 背丈の高い白の花園は、たまに吹く風と穏やかに笑っていた。茎の間を縫うように視線凝らすと、海に面しているのがわかった。果たしてそれが本当に海なのか、はたまた湖なのかはわからないが、少なからず水面に面している。水面を追い、地平線を眺めれば、そこには街が広がっているのがわかった。絵画のようなその風景は、猫に新たな価値観を与えていた。綺麗なんて言葉では足りない。秀麗皎潔とはまさにこのことだと、以前何かで目にした言葉を思い出す。

 

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 視界の端に高貴な者の姿が見えた。下町を歩いていた猫にとって、初めて見る貴族という存在だった。貴族、なんて言葉はもちろん知らない猫だったが、何故かふと頭に浮かんだのだ。

 貴族は本を読んでいた。自分の敷地に野良猫が入り込んだのなんて気がつかないほどに集中しているようだ。猫は、そんな貴族をじっと見つめた。ただただじっと見つめていた。

 

「いつまでここで寝ているのですか」

 

 上から声が降ってくるまで、自分に近づく貴族の存在に気がつかなかった。じっと見つめていたはずの貴族が目の前にいる。

 

「寒いでしょう、風邪を引いてしまいます。ご令嬢、パーティーまでこちらへ」

 

 差し伸べられた手を取り、令嬢は貴族と共に庭の椅子に腰掛けた。貴族は手にしていた本を開こうとするが、それをやめて令嬢に視線を向けた。交わった視線の中を、共に本を読むという考えが流れた。

 令嬢は貴族の隣に腰掛け、共に本の中を見た。小さな文字で紡がれる物語にすっかり夢中になった。美しい言葉で綴られたその物語は、世界の片隅で繰り広げられる恋の話であった。

 本に視線を奪われ、文字をひたすらに追い続ける令嬢を、貴族はただただじっと見つめていた。貴族は知っている、自分のこの視線に預けられた感情に、恋心があることを。正確に言えばそれは恋ではなく、憧れというものなのかもしれないが、貴族はそんなことに気がつくはずもなかった。

 

 本を読み終わる頃には、パーティーが始まりを告げていた。多くの貴族が集まり、食事を摂り、酒を交わし、言葉を歌う。そんな貴族たちを令嬢は笑顔で見つめた。この光景が好きだ。そして、貴族は令嬢の笑顔に夢を見た。

 

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 視界いっぱいに絢爛な光が広がった。この光の正体が、昇り始めた太陽とそれを反射する水面によるものだと気がつくまでに、そう時間はいらなかった。

 少しばかりの温かさを感じて、顔を持ち上げると、静かに眠る令嬢の姿がそこにはあった。この光景を見るのは、今日で何度目だろうかと記憶を遡るが、数えるのが億劫になるほどには回数を重ねている。共に本を読み、楽しげな時間を過ごした後はこうして必ず共に寝ているのだ。もちろん、本の内容なんて理解できるわけもないが、令嬢の笑顔が、物語の内容と麗しい言葉たちを物語っていた。

 

 静かな寝息を立てる彼女を、今日も見つめることにしようと決めた。その視線に預けられた感情が恋か憧れか判明する日は来ないだろう。

 今日もまたパーティーだ。昨晩も夜更かしをした、きっと令嬢は起こさない限りいつまでも寝息を立てていることだろう。

 

「いつまでここで寝ているのですか」

 

 猫貴族は令嬢の寝顔に、今日もまた夢を見る。

 

 

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